ローレライを見た

DVDで。

原作を先に読んでしまったせいか、ちょっと物足りない。映画にするときに大幅に端折った様でイ507出撃前の話、ナーバル回収の話、反乱前後の話、パウラの過去、映画には出てこないパウラの兄の話、イ507最後の大立ち回りの細かい描写、魚雷を撃ちつくした後、最後の切り札に思い当たるまでの焦燥感とか原作で魅力的に感じた部分がバッサリとカットされてる。全部描くには尺が足りないのは当たり前だけど、あまりにも省き過ぎで私の期待にはいまいち応えてくれなかった。
戦闘のシーンはCGを駆使してリアリティと迫力を増す事にある程度成功してると思うけど、ダイジェスト感たっぷりなので短い。もっともいくらリアリティがあっても尺を引っ張れば単調でダレるだろうからこれはこれで間違ってないとも思う。だったら潜水艦モノに独特な他の描写をもっと入れて欲しかった。深深度で艦体が圧壊しそうな状況のギリギリ感も描写こそあったけどアッサリしすぎ。潜水艦モノの映画では個人的に最高傑作だと思うUボートの見てる方まで息を詰めてしまうような緊張感が全然ない。ローレライの原作「終戦のローレライ」にはUボートの影響かと思う描写がそこかしこにあったけど、映画にはほとんどない。たとえば急速潜行時に乗員を艦首に集めるシーンでの水密戸のくぐり方とか。映像のリアリティもいいけど、こういうとこも細かく描いて欲しかったんだけどな。
まぁ、パウラ役の香椎由宇がかわいかったのは原作読んでもあんまり想像というか妄想し切れなかったところをわりかし納得行く形で補完してくれたので良かった。
というわけで、ローレライに興味があってまだ見てない、読んでないという人は映画を先にした方がいいかもね。という話。
終戦のローレライ(1) (講談社文庫)

終戦のローレライ(1) (講談社文庫)

終戦のローレライ(2) (講談社文庫)

終戦のローレライ(2) (講談社文庫)

終戦のローレライ(3) (講談社文庫)

終戦のローレライ(3) (講談社文庫)

終戦のローレライ(4) (講談社文庫)

終戦のローレライ(4) (講談社文庫)